休暇で国内観光

日本は1億2千万人もの人口をひとつの政府が統治しています。1億2千万人の国民が同じ法制度や慣習に基づいて行動するので、観光地の繁忙期も閑散期も全国で同じなのです。観光産業は、265日の赤字を100日の黒字で補うことで成り立っています。需要の季節変動が大きすぎると、企業の収益や雇用も不安定になるし、100日の黒字で国内観光に行くとあらゆる料金が高額に設定されています。


「海外旅行」というブランドは強いです。魅力的な国内観光地があるにもかかわらず、旅行というと反射的に海外に行く日本人は多いようです。戦後の欧米崇拝教育によるイメージ的な要因が大きいのでしょうが、やはり日本と繁忙期がずれているという要因も大きいと思われます。特にゴールデンウィークなどは自宅から空港までの混雑を我慢すれば、海外ではゆっくと観光ができるメリットがあります。


これらの問題を解決するには、日本人にとって国内観光地が魅力的になるよう改善するほかありません。「にぎやか」なのは良いが「混雑している」のはほとんどの人が嫌うでしょう。2009年からは、観光庁が休暇分散化ワーキングチームや休暇改革国民会議で休暇分散について議論を進めていますが、国民へのアンケート調査やアイデアボックスにより国民から意見を収集した結果、評判が思わしくなく、実現の雲行きが怪しくなっていました。しかし、特に休暇改革国民会議は、あまりにいろいろな人から意見を聞きすぎです。また、国交省は高速道路や空港は国民が不要だと言っても作るのに、なぜ観光についてはアンケート調査などという手法を取るのでしょうか。有給休暇すら現実には理由がなければ取得できない慣習の国が、休暇というものに対する想像力がまともにはたらくわけがありません。会社の誰かが休んだときに、自分に降りかかってくる負担はほとんどの日本人に経験があるし、想像もしやすいからです。

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